薬を飲まない娘
現在小学生の娘がまだ2~3歳だった頃、病気にかかりやすく流行り病は必ずもらってしまうような子でした。
そのたびにいつも困ったのは、薬を飲まないこと。
子供向けの甘いお薬やシロップのお薬でも、絶対に飲んでくれませんでした。
1回だけ素直にお薬を受け入れてくれたのは、ロタウイルスにかかってかなり衰弱し、抵抗する気力もなかった状態で点滴をした時だけです。
風邪をひいた時などの飲み薬は当然飲んでくれず、ジュースやアイスに混ぜてもダメ。
市販のお薬を飲みやすくするゼリーなどに混ぜてもダメ。
肺炎で入院
大抵の病気はお薬がロクに飲めなくても治ってくれたので良かったのですが、一番困ったのはマイコプラズマ肺炎にかかって入院した時でした。
入院しているにも関わらず、一切お薬を受け付けない娘。
看護師さんとあれこれ相談しながら、食事にアイスを付けてもらってお薬を混ぜたりしましたが、もちろん飲みません。
そのうちに病院で出るもの全てにお薬が入っていると思い込んだ娘は、病院の食事から飲み物まで一切受け付けなくなってしまいました。
「栄養は点滴から補給してるので、無理して食べなくても大丈夫です。でもお薬は絶対に飲ませないといけない。」という看護師さん。
強制退院!?
泣きわめく娘を看護師さんと2人がかりで押さえつけて、無理矢理お薬を口に流し込んだこともありました。
しかし、最終的には「食事も食べない、お薬も飲めない。このままじゃ病院にいても良くなりません。自宅で様子を見てみましょう。」という理由で退院。
その後、家に帰ると食事も食べるようになり、抗生物質だけは無理矢理飲ませ続けて回復しましたが、泣いて嫌がる娘を無理矢理おさえつけて拷問のようにお薬を飲ませる辛さ・どうしたらお薬を飲んでくれるのかと出口の見えない答えを探し続ける毎日に、私も疲れてしまいました。
そんな私に追い打ちをかけるように「どうしてそんなに薬を飲まないの」「甘やかしすぎなんじゃないの」と、旦那をはじめ祖父母の心ない一言が、本当に辛かったです。
入園と溶連菌
そして翌年、娘が幼稚園に入園して間もなく、今度は溶連菌にかかりました。
溶連菌は後遺症が危険な病気であり、しっかり抗生物質を服用して完治させなくてはいけません。
またお薬で悩む日々が続くのか…と、絶望にも似た気持ちにかられましたが、長年の「娘がお薬飲まない問題」は、意外にもあっさり終止符が打たれました。
溶連菌にかかって数日は幼稚園をお休みしていましたが、お医者さんから登園の許可がおりて幼稚園に行けるようになり、その時はまだ抗生物質を継続して飲まなきゃいけなかったので、お昼は幼稚園でお薬を飲ませてもらえるよう娘に持たせました。
絶対にお薬を飲まないで帰ってくるんだろうなと諦め半分でいた私ですが、娘は「お薬飲んだよ」と、誇らしげな顔をして幼稚園から帰ってきました。
嘘かと思ってカバンに入れておいたお薬を見たら、ちゃんと空になった袋と先生からの手紙が…。
「お母さんがお薬を飲まないと心配されていましたが、キチンと飲んでくれました。褒めてあげて下さい。」という内容。
娘の成長??
あんなに頑なにお薬を拒んでどうにもならなかった娘が、あっさり幼稚園ではお薬を飲んだのです。
それからは今までが嘘だったかのように、家でも素直にお薬を飲んでくれるようになって、溶連菌も無事に完治しました。
幼稚園の先生がどんな素晴らしい技を使って娘に薬を飲ませてくれたのかはわかりませんが、先生の力添えはもちろんのこと、私は「幼稚園に行っていたから」という状況も大きかったのではないかと思います。
家だと甘えて嫌がることができたけど、幼稚園では「頑張らなきゃ」っていう気になれたのかもしれません。
なので、今お薬を飲まない子に悩んでいるお母さんがいたら、まずは環境を変えて飲ませてみることをオススメします。
病気真っ最中の時に家から出ることはできませんが、お母さんの手からお薬を飲まなかったら、お父さんやおじいちゃん・おばあちゃんに頼んでみるのも良いかもしれません。
そして理解しておいて欲しいことは、今はまったくお薬が飲めない子でも必ずいつか成長してお薬を飲めるようになる日がきます。
私自身がそうでしたが、お薬のことで悩み過ぎてお母さんの心がボロボロにならないように、どうしてもお薬が飲めなかったらお医者さんと相談して、お母さんはいつもおおらかな気持ちでいられるように心がけて欲しいなと思います。