年子の寝かしつけ
わが家は、年子です。
上の子が一歳五ヶ月の時に、下の子が産まれました。
下の子の妊娠中も、上の子の授乳は続けていました。
もちろん、寝かしつけの際も授乳に頼っていました。
しかし、そんな中、私が切迫早産で突然入院する事になり、その時に上の子はあっさりと卒乳できてしまいました。
だから、寝かしつけの際の授乳は下の子だけなので、気楽に考えていたら…。
下の子が産まれてからは、壮絶な寝かしつけが待っていたのです。
寝かしつけの際、上の子は体をトントンと叩いていれば寝られるようになっていました。
しかし、上の子をトントンしている間、下の子はギャン泣きです。
時には激しく嗚咽しながら、ひたすら泣き続けています。
そこでふと下の子の方へ向き直してなだめると、今度は上の子がぐずり始めます。
そしてまた上の子の方へ向き直してトントンし始めると、下の子は再び泣き始めます。
私の疲労も限界
私は二人の子供を両脇にかかえながら、あっちを向いたりこっちを向いたりする毎晩でした。
里帰り中は、実家の母親が手を貸してくれました。
しかし、自宅に戻ると、当時夫は勤務形態が不規則で夜勤も多く、育児のほとんどを自分一人でこなさなくてはなりませんでした。
もちろん、寝かしつけも。
たまに、運よく上の子がすぐに寝てしまった時には、下の子をゆっくり寝かしつけました。
そして下の子が眠りにつくと、なぜか上の子が目を覚まし、再び体をトントン叩いて寝かしつけました。
すると、なぜか今度は下の子が目を覚まし…。
そんな毎晩の繰り返しでした。
また、二人とも激しく泣き続けて、どうしようもならない時も多くありました。
そんな時は、私も一緒に泣き続けました。
もう睡眠不足で疲労も限界でした。
ご近所の温かい見守り
そして何より、築年数の経った古いマンションに住んでいたので、ご近所の方への迷惑を考えると、本当に心が疲れました。
そしてそんなある日、毎晩繰り返される泣き声のお詫びをしに、お隣の老夫婦を訪ねました。
すると老夫婦は、全然聞こえないから大丈夫よ、とおっしゃいました。
そんなはずはありません。
わが家でも、お隣の話し声が聞こえてくるくらいです。
それでも老夫婦は、気にしないで、とおっしゃるばかりです。
そして、お母さんが大変な事はわかっているわよ、と笑顔で励ましてくださいました。
それから、マンションの住人の方にお会いするたびに、子供たちの鳴き声をお詫びしましたが…。
みなさん、大丈夫よ聞こえないわよ、とおっしゃってくれるのです。
私は本当にありがたく思い、みなさんのお言葉に甘えました。そして、気持ちもだいぶ落ち着きました。
しかし、その後も過酷な寝かしつけはしばらく続き、それがいつ終わったのかわからないくらい当時の私は疲れきっていましたが、周囲の方々の優しさにも触れ、今となってはいい思い出になっています。